冬になると、「乾燥がつらい」という声をよく聞きます。
肌がカサカサする、喉がイガイガする、風邪をひきやすくなる…。
実は、乾燥は体調不良だけでなく、住まいの快適性や家族の健康にも大きな影響を与えています。
今回は、冬の乾燥が私たちに与える影響と、家づくりでできる具体的な工夫についてお話します。
1. 冬の乾燥が健康に与える影響
冬は外気温が下がり、空気中の水分量も少なくなります。
さらに、暖房を使うと室内の湿度はさらに下がり、40%以下になることも珍しくありません。
乾燥による主な影響は次の3つです。
① ウイルス感染のリスク増
湿度が低下すると、ウイルスが空気中を浮遊しやすくなります。
乾燥で鼻や喉の粘膜が弱ると、インフルエンザや風邪などの感染症リスクも高まります。
② 肌・目・喉の不調
乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、かゆみや赤みの原因に。
また、ドライアイや喉の痛みも起こりやすくなります。
③ 睡眠の質低下
乾燥した空気は鼻や喉を刺激し、咳き込みやすくなることで睡眠が浅くなります。
結果、日中の集中力や免疫力まで低下してしまいます。
2. 家づくりでできる「乾燥対策」
冬の乾燥は、加湿器だけに頼らず「住まいの設計」で改善できます。
ポイントは 湿度を“つくる・保つ・逃がさない” の3つです。
① 湿度を“つくる”工夫
加湿器の設置
リビングはもちろん、寝室に小型加湿器を置くと睡眠時の快適性が向上します。
部屋干しの活用
冬は洗濯物の室内干しで自然な加湿効果を得るのもおすすめです。
② 湿度を“保つ”工夫
高断熱・高気密住宅
家の断熱性能を高めることで、外気の乾燥を遮断し、湿度も一定に保ちやすくなります。
自然素材の活用
漆喰や無垢材は、湿度が高いときは吸収し、低いときは放出する“調湿効果”があります。(ただし加湿はしてくれないですが)
③ 湿度を“逃がさない”工夫
窓の断熱性能を高める
樹脂サッシや二重窓で外気の影響を抑え、湿度の低下を防ぎます。
換気計画の最適化
機械換気をうまく使い、乾燥しすぎない空気循環をつくることが大切です。
3. 家族の健康を守るために
冬の乾燥は、肌荒れや風邪だけでなく、家族全員の健康に影響します。
だからこそ「加湿器を置く」だけではなく、家そのものを乾燥に強い構造にすることが大切です。
健康を守る「室内湿度」は 40〜60% が目安
家の性能 × 自然素材 × 適切な換気で湿度をコントロール
家族みんなが「呼吸しやすく、眠りやすい」空間づくりを意識する
住まいはただ過ごす場所ではなく、健康を支える大切な環境です。
快適な湿度を保つ工夫を取り入れれば、冬の暮らしはもっと快適になります。