建物居住者の生命と安全を第一に考えた再建築不可物件のリフォーム・リノベーション・感共ラボの森 森健一郎さん


 
再建築不可となるにはそれなりの理由があります。
道路に接していない、崖条例や各種条例、道路後退できない、建て替えると床面積が大きく減少してしまうなどが主な理由です。
 
再建築不可について感共ラボの森 森健一郎さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 感共ラボの森 森健一郎 の写真
神奈川県横浜市中区海岸通4-22-302
045-263-6674

 

貴社が再建築不可のリフォーム・リノベーションを手がけたきっかけがありましたら教えてください

 
再建築不可の敷地を所有されている方からの設計依頼があったことがきっかけです
 

再建築不可の家をリフォーム・リノベーションする際に注意している点を教えてください

 
再建築不可となるにはそれなりの理由があります。道路に接していない、崖条例や各種条例、道路後退できない、建て替えると床面積が大きく減少してしまうなどが主な理由です。
 
建築確認申請は災害時避難・防災・防火・耐震・採光排煙など居住者や建物周辺住民の生命と財産を守るために必要な手続きです。
その手続きをしないで計画を進める場合でも建築基準法は遵守しなければいけません。
 
建物居住者の生命と安全を第一に考えてご提案しています。
 

 

再建築不可の住宅をリフォーム・リノベーションする際にローンは使えるのでしょうか?

 
1000万円以下のリフォームローンは使える金融機関が多いです。
1000万円を超える住宅ローンについては金融機関ごとに判断が違います。
 
また再建築不可の理由によっても判断が分かれます。
計画前に金融機関に具体的な相談をしてください。
 

「本の家」で再建築不可となっていた理由を教えてください

  
敷地東側に山があり崖条例で建て替えが不可能でした。
建て替えするには鉄筋コンクリート造として窓も無しという建物になってしまうのです。
 
そこで山(崖)の崩壊防止措置は周辺住民と一緒に計画地行政に働きかけしましたが崩壊防止工事が完了するのは何年先になるか分からないという状況だったのでリノベーションを選択しました。
地域行政の働きかけは継続して行っています。
 

 
 

「本の家」で工夫した点を教えてください

 
建て主様の第一の希望は建て替えでしたので、リノベーションでも建て替えと同様の性能を確保できるように考えました。
 
具体的には、コンクリート基礎・土台・柱・梁などの主要構造部の耐久性と耐力壁を含めてた耐震性能の確保、採光・通気性能の確保、一般的な断熱性能の2倍の外皮性能、一般的な光熱費から半減させる日射取得や省エネ設備の選定などです。
 
このような目標を実現するために既存建物の一部を撤去(減築)して真南に向けた大きな窓を作るなど外観形状も大きく変わる計画となりました。
 

再建築不可の場合、スケルトンリフォームをすることは可能でしょうか?

  
一般的な木造二階建ての一戸建ての住宅は、大規模リフォームや大規模修繕の際に確認申請が不要です。
柱梁を残して内外仕上げを全て撤去するようなリフォーム工事でも、増築と高さ増を伴わない計画ならば可能です。
 
ただし事前に地域行政の建築指導課などで確認をしてください。
 

 

再建築不可の建物のリフォーム費用はどれくらいでしょうか?

 
一般的なリフォーム工事と同じで工事の内容によって大きく違います。
仕上げ改修でしたら少額ですし、スケルトンリフォームですと建て替えとほぼ同額の費用になります。
 

再建築不可のリフォーム・リノベーションでフラット35は使えるでしょうか?

  
再建築不可の計画はリフォームという工事種別になります。
 
フラット35は持ち家のリフォームのための資金には利用できません。
ただし中古住宅の購入と併せて行うリフォームの場合には利用できることもあります。
 
個別判断になりますので住宅ローンへの回答と同様に計画時に金融機関支援機構かフラット35取り扱い金融機関に相談してください。
 

再建築不可の建物を建て替えできる可能性もあるのでしょうか?

 
先にお答えしたスケルトンリフォームよりもハードルが高くなります。
基本的には建て替えはできないとお考え下さい。
建て替えに近い工事でしたら可能となることもあるので地域行政の建築指導課などで確認をしてください。
 

 

再建築不可の建物を増築することはできますか?

  
基本的には増築はできません。
 
防火・準防火無指定地域で10㎡以下の計画は確認申請不要で増築可能です。
防火・準防火地域では増築面積1㎡でも確認申請が必要なので増築はできません。
 
確認申請不要な増築でも建築基準法を満たした構造と性能が必要なので建築士に相談して進める必要があります。
 
 

他にも再建築不可の建物をリフォーム・リノベーションした事例はありますか?

 
築35年の2階建て木造アパートをスケルトンリノベーションした実績があります。
35年前に大工さんが手加工した柱や梁を現しにして、木製引き違い戸を再利用するなど建物の持っていた価値を活かしたリノベーションをしました。
 

再建不可物件を購入しようと思っている方にアドバイスがあればお願いします

  
再建築不可には様々な理由があります。
増築無しのリフォームなら建築できるからと安易に考えてはいけません。
 
耐震性能を満足しているか、火災や災害時の避難ルートは確保されているか、周辺住民への迷惑はないかなどの基本的な懸案事項を総合的に判断して進めて下さい。
 

感共ラボの森 森健一郎さんの再建築不可・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
本の家

冬暖かく、夏は風通しのよい、カビのない家。
東側にある山により冬季の日射が遮られ、午後1時まで1階に光が入らない立地でした。
そこで2階中央に南面する大きな日射取得窓を設けました。両サイドの壁方向と中央の角度が違うのはそのためです。

 

I-1784、建築確認申請代行(熊本県)

ユーザー ミヤビ の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
熊本県
現住所‐郡市区町村: 
熊本市
依頼内容: 

*******の代表***です。
弊社は熊本県でリフォームを主体とした建築会社です。
この度、新築工事を請負う事になり、設計事務所との取引がない為、是非、御センターに問い合わせさせて頂いた次第です。
 
建築確認申請代行
平面図・立面図はJWキャドで確定済みです。
フラット35にてローン申し込み済み。
費用については電話にてご連絡頂ければと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
 
**********
代表取締役 ******
電話番号:************
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する
 





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

昨日、とある家創りで採用予定の全館空調+換気について

打ち合わせしてきました。

全館空調って??

と思われた方もいるかもしれませんので、

簡単に説明しますと。。

一つの大きなエアコンで、家全体を冷暖房する。

ちょっと荒っぽいですが、

簡単にいうと、そんなシステム。

一つの機器で創り出される冷暖房された空気を

ダクトという筒を通して、各部屋へ吹き出します。

部屋の空気は、廊下を通って、集められて

機器まで戻っていくようになっています。

また、換気のシステムも併設するので、

冷暖房しながら、しっかりと換気ができます。

なので。

常にきれいで、冷暖房された空気が

吹き出すようになっています。

全館空調で得られるものは。。

家の中の温度ムラが、とても少なく、

家のどこにいても、冬暖かく、夏涼しいんです。

心地よいんですよ。

安定した温度が好みの方には、とてもいいシステムになります。

とてもいいシステムなのですが、

事前に、しっかりと調整しておかないといけません。

一つは、建物の断熱+気密性能。

これをしっかりしておかないと、

せっかく温度ムラをなくそうとしても、

外気の影響を受けるので、ロスが出ます。

特に、局所的にエアコンを効かせるわけでないので、

こういったロスは致命的になります。

しっかり相談してくださいね。

それと。

機器の設置スペース、メンテナンススペース。

機器が収まらないといけませんし、

フィルターの清掃や、定期的なメンテナンスを

スムーズにできるようにしておきたいですよね。

最後に。

ダクトルートの確保です。

エアコン機器から部屋へ運ぶ筒(ダクト)は、

天井裏を通っていきます。

しかも。

断熱されたダクトは、直径25cmくらいになります。

それを、しっかり通さないといけないんです。

高さを変えたり、構造のフレームを調整したり、

初期段階から、しっかり検討が必要になります。

全館空調の導入を予定されている方、

興味のある方は、早めの検討がオススメです。

I-1783、商業地域でのマンションボリュームプラン(東京都)

ユーザー TSUKA の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
東京都
現住所‐郡市区町村: 
港区
依頼内容: 

東京の商業地域でのマンションボリュームプランを入れて頂きたいです。
特定道路までの距離による条件により容積率の緩和、天空率等全ての条件をチェックした上で、マンションのボリュームプランを入れて頂きたいと考えてります。
資料は揃っております。
 
■予算:20万円程度
■希望する地域:東京都台東区***
■建設予定地:東京都台東区***
 
建築家の所在地について:
建築家の所在地にはこだわらない
 
 





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

一人になれる空間。

に見えますが。。

将来的には、二人掛けのソファになる予定。

こちらは、LDKとは別に計画した、セカンドリビングなんです。

二世帯のご家族が暮らす家。

ご家族皆が過ごす場所として、大きなLDKがあるのですが、

そこは、あくまで、二世帯みなのスペースです。

若いご夫婦がゆっくりと過ごすスペースがあると

いいですよね。

そこで、2階のホールを広めにして、

セカンドリビングとして計画しているんです。

1階のLDKとは、吹き抜けを通してつながっているので

お互いの気配は感じられます。

完全分離の二世帯にはない、空気感がありますね。

そのセカンドリビングの一角に、手洗いを設置しています。

これ。

よく見てみると。。。

そうなんです。

コーヒーカップなんですよね。

お客様が、ネットでいろいろ探されて、

お気に入りということで、採用して取付となりました。

こちらは、子供部屋の勉強机なんです。

思い切って、造り付けにしています。

しかも。

耳付きの一枚板!!

上部の固定棚も、机に合わせてセレクトしています。

ナチュラルな雰囲気の子供部屋もいいですね。

そうそう。

天井ご覧ください。

思い切って、天井は青空の壁紙にしています。

遊び心がとってもユニークです。

建築だけでなくて、壁紙や照明器具、

造り付けの家具等にもこだわって、

自分好み家に仕上げてくださいね。

自分らしさ、いっぱいの家創りを

サポートしています。

地勢を生かした傾斜地の集合住宅・有限会社 山梨一正建築設計事務所 山梨正臣さん


 
傾斜地の集合住宅は「土地購入費が安い」「地形と建物のオリジナリティーがより際立つ」などのメリットがあります。
 
傾斜地の集合住宅について有限会社 山梨一正建築設計事務所 山梨正臣さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

 

貴社が傾斜地の集合住宅をてがけたきっかけを教えてください

 
他社様が、数回計画を立てた敷地でした。
結局予算が合わず着工には至らなかった経緯があります。
 
その中で、当社にご相談があり、敷地を見させて頂きました。
南斜面の自然な景観を壊さず、その地勢を生かした小さな町並みを作りたいと直感でひらめきました。
 
むしろそれは、造成工事の費用削減に繋がり、計画が即採用されました。
 

 

傾斜地に集合住宅を建てるメリット・デメリットを教えてください

 

メリット

土地購入費が安い。
地形と建物のオリジナリティーがより際立ちます。
 

デメリット

トータル的な構想が無いと、地勢を生かしきれず、逆にコストアップになりうる可能性があります。 
 

傾斜地の集合住宅で注意する点を教えてください

 
高層建築は避け、周囲の環境と調和させ、眺望・日照・風害に配慮する事です。
 

 

傾斜地の造成費用を減らす方法があれば教えてください

 
切土、盛土、残土の量を少なくする工夫が必要です。
 

傾斜地の擁壁工事費を減らす方法があれば教えてください

 
建物自体が擁壁であり、ドライエリアとの併合で造成・擁壁工事の減額に導きました。
 

アプローズタウン・サンヴェール三島で工夫した点を教えてください

 
敷地形状を利用した、馬蹄形の配置計画です。
戸建ての住宅が、長屋形式で繋がっています。
 
構造は全て床・壁・屋根を30cmの厚みとし、安心・安全でプライバシー確保もされています。
敷地全体を、一つの町並みと考え、中央には小さな小川を創り両サイドに植栽の植え込みがあります。
 
又、傾斜地を登って行く過程を楽しむ様に、所々に芸術家の方々の作品をオブジェとして設置しました。
住居者間の交流もあり、アプローズタウンの名前の通りの町並みになりました。
 

 

アプローズタウン・サンヴェール三島はメゾネット式になっているそうですね。メゾネット式とはどのようなものですか?

 
縦3層が1戸の住居の形式です。
 

傾斜地に集合住宅を建てたい方にアドバイスがあれば教えてください

 
傾斜地には、その土地が持っている顔があり、その地勢を生かす発想が必要です。
 

有限会社 山梨一正建築設計事務所 山梨正臣さんの傾斜地の集合住宅・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
アプローズタウン・サンヴェール三島

広い敷地は傾斜があり、何度か計画をしたものの、造成費が高くなり悩んでおられました。そこで逆の発想で傾斜を生かしたご提案をさせて頂きました。日当たり、通風も良く、ボリューム感のある1つの街が完成致しました。

 

住宅密集地でも癒される住空間・ARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木宏次さん・羽木みどりさん


 
住宅密集地のメリットは、日常生活の利便性にあります。
徒歩で、日常の様々な用が済み、駅が近いので、どこへ行くにも便利です。
 
その反面、敷地が狭く、家の中で快適な日常生活を過ごすという面からいえば、通例的なプランニングでは、なかなか良い環境での暮らしが出来にくくなっています。
 
住宅密集地についてARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木 宏次さん・羽木みどりさんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー ARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木宏次+羽木みどり の写真
大阪市平野区加美鞍作1-11-6-3403
06-6796-0105

 

貴社が住宅密集地の建築設計を手がけるとき、心がけていることがありましたら、教えてください

 
大阪市内はもとより、京都市内、神戸市内の中心部の住宅地も大半の住宅地が住宅密集地となっております。
そのような住宅地は、隣棟間隔が狭く、建蔽率一杯に建物を建てざるを得ない状況で、敷地に空きスペースも僅かしか残りません。
 
建売住宅の建ち並ぶ街区では、特に1階の部屋は照明無しでは暗く、1日中人工照明に頼り、風通しも悪く、不健康な生活を余儀なくされている例をよく見聞きします。
 
その様な環境の中で、如何に快適で健康に住める住宅をつくるかという課題に取り組み、そこで暮らす方々が心豊かな人生を送っていただけるようになるための手助けをしていきたいと思っております。
 

住宅密集地のメリット・デメリットを教えて下さい

 
駅や、色々な店舗、病院や他の公共施設なども近くにあって、日常生活を営む上で、利便性の高いところには人が集まってきます。そうすると、土地の価格が上がり、細分化して販売することになり、その結果どうしても住宅密集地となってしまいます。

また、昔は栄えた街道沿いや商店街、長屋住宅なども、住宅密集地として残っていますが、今は廃れて空き家が目立つ場所も増えています。
この場合は、色々とその地域ごとの対策が必要なので、今回は外してお答えします。
 
住宅密集地のメリットはやはり、日常生活の利便性にあると思います。
徒歩で、日常の様々な用が済み、駅が近いので、どこへ行くにも便利です。
 
その反面、敷地が狭く、家の中で快適な日常生活を過ごすという面からいえば、通例的なプランニングでは、なかなか良い環境での暮らしが出来にくいと思います。
 
部屋の間取りの制約、充分な採光や通風が取りにくい、植栽なども植えるスペースが取れないなど、自然との関わりが少なくなり、郊外の住宅に比べ、色々な制限がでてきます。
 

 

住宅密集地の日当たり・採光で気をつけている点を教えて下さい

 
敷地の形状や大きさにもよるのですが、中庭や吹き抜けをつくって、上部からの採光を、各部屋に届けるというプランにすれば、良い住環境に出来ることが多いのですが、かなりの狭小敷地では、面積的に、中庭や吹き抜けなどのボイド空間を取る余裕がなく、採光が取れるのは、道路側の壁面と屋根面と言う場合が多いのも現実です。
 
一日の生活の中で、一番採光が必要な部屋は、リビング・ダイニングだという場合が一般的ですが、そこにどのように太陽光を取り入れ、気持ちの良い部屋を造るかは、敷地と周りの建物の状況や、ご家族の生活パターンによって異なります。
 
それぞれ特徴を総合的な見地から良く把握し、そのご家族にとっての心地よさが何にあるのかを探り、より良い住環境になるための方策を考えていきます。
 
 

住宅密集地の風通しで気をつけている点を教えて下さい

 
家や人は、「酸化することで劣化」を起こします。
通風は外の空気がマイナスイオンを含んでいるため、「酸化を還元する」と言う意味でもとても大切なものです。
 
風上と風下に窓を2箇所、開ければそこに風が流れます。
また、温かい空気は上昇するため、風は下から入って上に抜けることを上手に利用するよう心がけています。
 
その地域に流れる風の流れを読んで、適切な場所に窓を開けることが大切です。
また、心地よい風の流れを家に呼び込めば、エアコンに頼らずとも、過ごせる日が増えます。
 
防犯を考えながら、夜間、窓を開けたまま就寝できることも大切かと思います。
 

 

安立の家で工夫した点がありましたら教えてください

  1. 明るい太陽の光を各部屋に届けるための工夫
     
    安立の家は二世帯住宅なのですが、建物の北側の1階にお母さんの寝室ゾーン、3階を娘さん夫婦の寝室と書斎(SOHO)ゾーン、そして、その間の2階に、二世帯が使う居間兼食堂とキッチンというゾーニングにし、それら各階のゾーンに太陽光をふんだんに届けられるよう、プランニングの工夫をしています。
     
    まず、お母さんの寝室がある1階にまで、程よい光が届くように、上部を大きな硝子屋根のトップライトにした3層吹抜けの光庭(光の筒)をつくりました。
    その中の、2・3階の廊下は透光性の確保のため、スノコ床にしています。
     
    そして、家族の生活の中心である2階の居間兼食堂にも充分な光を届けるために、部屋の上部に吹抜けをつくり、3層吹抜けの光庭から光を招き入れるようにしました。
  2.  

  3. 建築材料で空気をきれいにし、湿度調整をする工夫
     
    空気の浄化作用、吸湿作用、還元作用のため、床下に炭を敷きました。
     
    また、1階土間はソイルセラミックスのタイル、壁には珪藻土の塗り壁に、床には無垢の木材(産直の秋田杉)を使いました。
    食堂のテーブルには米杉の無垢の厚い一枚板を手に入れました。
     
    それらの材料は湿度の高いときには水分を吸収して湿度を下げ、逆に湿度の低いときには取り込んだ水分を放出し、湿度を程好い状態に保つという調湿作用があります。
    この家はそれらの材料を使って湿度の調節や空気の浄化をしています。
     
    それから、洗面室と風呂はヒノキの板を使っているので、玄関から中庭に移動するとき、ヒノキの香りが漂ってきて、心地よさを引き出しています。
  4.  

  5. 植物との共生ができる工夫
     
    人は周りの植物からエネルギーをもらっています。
     
    屋外的な内部空間である1階中庭の隅に、縦長の通風スリット窓を設けて風を入れ、常緑の植物(棕櫚竹)を植えることで、生活に活力と潤いを与えるようにしました。
    (建築内部で植物を育てるには、トップライトの下であっても、風通しを良くすることと、適正樹種を選択することが大切です。)
  6.  

  7. 二世帯での生活音の軽減のための工夫
     
    1階と2階の床の間に防音対策のためにALC版と防音シートを敷きこみ、2階の生活音が1階に響きにくいように工夫しました。
  8.  

  9. 防犯+通風の工夫
     
    門扉(格子戸)を閉めて鍵を掛け、玄関扉の横の格子の裏に設けた小扉を開けておけば、1階の寝室への通風が確保され、窓を開けたまま就寝できるようにしました。
  10.  

  11. 間口の狭い家のファサードの工夫
     
    表札とインターホンのカバープレートとポストの口を一体化したデザインをし、格子の門扉と格子の壁で壁面のリズムを作り、その中にそれを嵌め込みました。

 

 

安立の家の設計で特に拘った点やそれに対する建築主の感想を教えてください

 
「癒しの空間」づくりという点に拘りましたが、すでに、隣は切り離されて3階建て住宅に建て変わっている、間口2間の長屋住宅の建替えです。
 
自然の少ない大阪の下町で、癒される住空間を造るには、かなり意識して太陽光や風などの自然を導きいれなければなりません。
 
肌に心地よい風、程好い湿度を持った風、嗅覚を満足させる風、それらを通すために、無垢の木材を多用し、床下には炭を引き、土間にはソイルセラミックス、壁には、藁入り珪藻土の塗り壁に、屋根は光を取り込むためにガラス屋根にしました。
 
透明のガラスを通して、雲の流れていく様子や、月の満ち欠けを楽しみ、光庭の緑は、心を潤してくれます。
 
入居後、奥様から「2階のデッキにおいた椅子に座って空を眺めていると時間の過ぎて行くのを忘れる」と言っていただきました。
 
周りの3階建ての家に挟まれ、窓からの眺望は望めませんが、屋根の大きなトップライトを通して、空の流れる雲や、夜空の星を眺めたりしながら、忙しい日常の中にも、ゆったりとした時間を楽しんでいただいているご様子が窺え、とても嬉しく思っています。
 

安立の家・間取り図

 

安立の家・間取り図

住宅密集地に家を建てたいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい

 
家にいる時間をどのような空間で過ごすかということは、心身の健康に取って、とても大事な要素になってきます。
特に周りを高い建物で囲まれた家は、暗く、風通しが悪くなりがちです。
 
それらを解消して、快適な暮らしを手に入れるために、敷地の特徴を良く分析し、プランを作ることがとても重要になってきます。
  

 

ARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木 宏次さん・羽木みどりの住宅密集地・設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
安立の家

■家の採光は密集地のため、光庭を家の中央につくり、ガラスの屋根からの天空光が、吹き抜けのスノコデッキやスノコブリッジを通し、一階にまで届くようにしています。
■2階床には防音シートとALC板を敷き、1階の母親の部屋に2階の音が伝わりにくいようにしています。

  

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

ブルーシートに囲まれている、この期間は

短いのですが、家はブルーの世界。

わずかな期間ですが、私個人的には、とても好きです。

開放感のあるリビングです。

勾配天井と登り梁が、印象的。

平屋なのでできるこの開放感。

たまらないです。

外部はこんな感じ。

何でもなさそうですが、実は、この軒先。

とてもシャープに仕上げています。

細い軒先にすることで、

モダンな感じになるのと同時に、

軽やかさを演出してくれます。

こちらは別の現場です。

ちょうど床を張り始めていました。

白い床、壁天井に、ブラックのキッチン!!

スタイリッシュですよね。

現場には、電気屋さんもいて、配線工事の最中。

先日立ち会って決めていただいた配線をしてくれています。

昨日は、一日現場のはしごでした。

行く先々で、現場監督をはじめ、

大工さんや電気屋さん、建材屋さん等

関係者に囲まれながら、打ち合わせでした。

設計内容の確認だったり、

詳細な納まりの確認だったり、

色や柄の確認だったり。

質疑回答はもちろんですが、

工程の調整や変更や増減のチェック

施工状況の確認等々、いろいろあります。

さすがに連続で一日ともなると、

夜には、くたくたです。

でも。

現場がスムーズに動いていくためには

こういったプロセスはとても大事なので、

現場サイドとしっかり向き合って調整します。

こういった打ち合わせを毎週しっかり行います。

考えてみると、建築家による工事監理のない現場って、

どうなっちゃってるのか。。。。。

とても不思議です。

道路より低い土地のメリット・デメリット

「道路より低い土地」と書くと、デメリットが多く、メリットが全く無いように思います。
確かに道路より低い土地はデメリットが多く敬遠されがちです。
 
そのため、利便性のよい地域にある土地でも周りより安い価格が設定されている場合が多いです。
デメリットを克服できれば、安くて利便性の高い土地を手に入れることができる可能性があります。
 
このページでは「道路より低い土地」のメリット・デメリットについてできるだけわかりやすく説明いたします。
安くて利便性の良い土地をお探しの方や、親から受け継いだ土地が道路より低い土地であるという方はぜひ、お読みください。
 
わかりやすくするために最初はデメリットから説明いたします。
 

道路より低い土地のデメリット

 

排水に注意が必要

道路より低い土地の場合、排水に苦労することがあります。
周囲の土地よりも低い場合は周囲からの雨水が流れ込んでくる場合もあります。
 
雨水・汚水などの排水管が土地よりも高い位置にある場合は、ポンプアップする必要があります。
購入する前に雨水・汚水などの排水がどの様になっているかを確認することをオススメします。
 
特に台風やゲリラ豪雨などの場合は短時間に大量の雨が降る場合があります。
その場合でも排水できるような設計が必要になります。

道路より低い土地の排水

プライバシーに注意

道路より低いということは道路から自分の敷地の中が見えやすいということになります。
プライバシーを保つために設計の工夫が必要になります。

道路や隣地からの雨水の流入に注意が必要

道路より低い土地の場合、道路や隣地から雨水が流入してくる場合があります。
外構の設計で道路や隣地からの雨水の流入を防ぐ工夫が必要になります。

日当りの問題

道路より低い土地の場合、土地が低い分日当りが悪くなる可能性があります。
住宅の設計を工夫して、日当りを確保する必要があります。

湿気の問題

道路より低い土地の場合、湿気が多い可能性があります。
土が露出している部分からはできるだけ離す、風通しを良くするなど、湿気に悩まされないためにも充分な湿気対策が必要です。

バリアフリーの問題

道路より低い土地の場合、そのまま家を建てると敷地に降りていくための外階段が必要になります。
将来、足腰が弱ってきた場合・車椅子などでの生活になった場合に困ることになります。
バリアフリーの家を建てたい場合は何らかの工夫をする必要があります。

隣地との高低差に注意が必要

敷地が隣地よりも低くなっている場合は、隣地の擁壁に問題がないかどうかなどをチェックする必要があります。

工事費が高くなる

下記のような理由で工事費が高くなる可能性があります。
 

盛土

道路の高さまで敷地を嵩上げする場合、盛土の費用が必要になります。
 

擁壁

道路の高さまで盛土をする場合、敷地の状況によって擁壁が必要になる場合があります。
 

地盤改良

盛土した部分は地盤の強度が充分ではありません。必要に応じて地盤改良を行う費用が必要になります。
 

外階段

道路より低い土地の場合、敷地まで降りていくための外階段が必要になる場合があります。
一般的には鉄筋コンクリート製の階段が多いようです。
 

排水

道路には雨水・汚水などを流すための側溝や排水管があります。
道路より低い土地の場合、その側溝・排水管よりも土地のほうが低い場合があります。
その場合、ポンプで側溝・排水管の高さまで水をあげる必要があります。
一般的な排水設備より多くの費用がかかることがあります。
 

駐車場

駐車場を作るために盛土・擁壁などが必要になる場合があります。
 

道路より低い土地のメリット

 

価格が安い

道路より低い土地の場合、上記のようなデメリットがあります。
そのため価格が安く設定されている場合が多いです。
上記のようなデメリットを理由に価格交渉すればさらに安くなる可能性もあります。
 

利便性の高い土地が売れ残っている可能性もある

利便性の高い地域の土地は売り出されてもすぐに売れてしまう場合が多いです。
しかし、道路より低い土地は上記のようなデメリットがあるため、売れ残りやすく、利便性の高い地域の土地でも7売れ残っている場合があります。
 
以上のように、道路より低い土地は売れ残ってしまう場合が多いようです。
利便性の高い土地に住みたい方でも買うことが可能な金額で売られている場合があります。
 
次のページでは道路より低い土地に建つ家の事例を紹介します。
 
利便性の高い地域に住みたいと考えている方や、親から受け継いだ土地が道路より低い土地だったという方はぜひ次のページをお読みください。
 

道路より低い土地と建築基準法

建築基準法第19条では建築物の敷地は「これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない」としています。

「ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない」
とも明記しています。

実際には道路より低い敷地に家が建っている事例はたくさんあります。

第十九条 建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。

 
道路より低い土地にはそれなりにデメリットもありますが、それを克服するような設計をすれば、住みやすい家を建てることは可能です。
 

第四章・道路より低い土地

道路より低い土地

道路より低い土地はデメリットが多く、割安な価格で売られている場合があります。
しかし、そのデメリットを克服すれば利便性の高い土地を低価格で入手することも可能です。
この章では道路より低い土地のデメリットを克服して、住みやすい家を建てる方法を紹介します

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