狭い土地の問題点をスキップフロアで解決
狭い土地だと、どうしてもコンパクトな家になってしまいますよね。
また土地の条件によっては、採光や通風に限界があることも…。
そうした中で今、「スキップフロア」を採用した住宅が注目を集めています。
空間をつなぐことで広がりを演出できるスキップフロアの、メリットやデメリットそして施工事例をご紹介します。
狭い土地の問題点
狭い土地では、家もコンパクトになり十分な床面積を確保することができません。
その際、モノを多く持たないライフスタイルに転換することが必要となりますが、「独立した部屋を減らす」といった工夫も大切なポイントです。
そうした手法のひとつが「スキップフロア」です。
スキップフロアとは、床面を複数に分け、ひとつひとつのフロアに小さな段差をつける設計手法のこと。
1F・M2F・2F・M3・3F…とフロアを縦方向にずらすことで、限られた空間に立体的な広がりを持たせることができます。
建設費においては、スキップフロアはひとつの床面を割るという単純な操作なので、コスト面での大きな変化はありません。
しかし、限られたフロアを割るという特性上、「狭すぎる」土地には向かないので注意が必要です。
スキップフロアのメリット
スキップフロアを採用することで下記のようなメリットがあります。
土地の制限をクリアーできる
斜線制限のかかる敷地は、スキップフロアにすることによって、法規をクリアーできる場合があります。
また土地が斜面の場合でも、スキップフロアにすることで、地形を活かして土工事の手間とコストの削減をすることが可能です。
↑杉並s2邸・断面図(スキップフロアにすることで北側斜線をクリアーしている)
体に負担がかかりにくい
狭い土地だと広さを確保するために階数が多くなってしまいます。
通常の階段は1階分が12、3段ありますが、スキップフロアにすることでひとつの階段の高さが半分の6、7段で済むので、移動の際の身体への負担が低減されます。
「光」と「風」、「視線」が通る
スキップフロアでは、それぞれの空間がつながっているので、「光」と「風」、そして「視線」が通ります。
小さな空間でも「変化」と「広がり」を演出することができます。
段差を利用して収納が作れる
デッドスペースや段差を利用して、収納を作れるのはスキップフロアならではといえます。
階段の一番下だけではなく、Aの部屋では使いづらい部分をBの部屋の収納とすることで、空間を無駄なく活用することができるのです。
スキップフロアのデメリット
しかし、スキップフロアには下記のようなデメリットもあります。
お子さんやシニア世代が生活しづらい
スキップフロアの段差は小さいお子さんには危険ですし、シニア世代は段差があると生活しづらくなってきます。
とはいえ住まいは、住み続けることで「慣れてしまう」部分も多いもの。
ずっと住まい続けていれば、身体が自然と危険を回避するようになるという面もあります。
エアコンが効きづらい
光と風が通るスキップフロアでは、家の中の通気がよいためエアコンが効きづらい面があります。
プライバシーを守るのが難しい
スキップフロアでは、クローズドな空間は基本的に作りません。
そのため、家の中でのプライバシーの確保が難しいといえます。
子ども部屋など独立した部屋をつくりたい場合には、一番下のフロアもしくは最上部の屋根裏に配することで、スキップフロアの利点を活かしながらプライバシーを守ることができます。
スキップフロアの構造
スキップフロアは、木造・鉄骨・コンクリート、どんな構造でも建てることができます。
木造が最もリーズナブルですが、他の構造と比較すると強度が低く燃えやすいというデメリットがあります。
鉄骨造は木造に比べて2割程度、追加でコストがかかりますが、寿命が長く頑丈です。
鉄筋コンクリート造は鉄骨よりまた少しコストがかかりますが、寿命が長く頑丈で防音性にも優れています。
室外への防音・漏音を考える際には、鉄筋コンクリート造で窓にペアガラスを使用するのがおすすめです。
スキップフロアの実例
狭い土地のデメリットを、スキップフロアで解決した実例として、建築家瀧浩明さんの設計した杉並s2邸を紹介します。
杉並s2邸
こちらの家は、ご夫婦2人での生活を考えている方のご自宅です。
南に家が建っており、「採光」面での問題がありました。
そのため最も陽が当たる最上階にバスルームを持ってきて、プライバシーを守るために外側を透けない「波板ガラス」にしました。
明るいバスルームからM2Fにあるリビングまで間接的に光を通すことで、採光面での問題をクリアーできました。
リビングは9畳あり、ご夫婦でくつろぐには十分な広さです。
キッチンは1Fにありますが、段差が少ないので移動のストレスを感じさせません。
地上部にはご主人のご希望である屋根付きのカースペースを設け、半地下になっているB1Fに寝室があります。
建築基準法上はB1Fを有する2F建てですが、フロアは全部で5つに分かれており、目的に応じて空間が変化するつくりになっています。
設計された瀧さんは、個人宅を多く手掛けている建築家で、スキップフロアを要望されるお施主さんも多いとのこと。
↑杉並s2邸・平面図
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