階数を増やす・廊下を減らす
階数を増やす
敷地が狭い場合、1階あたりの面積は相対的に狭くなります。
1階あたりの面積が狭いので、面積を増やすためには階数を増やすというのが一般的です。
階数を増やす場合は、道路斜線・北側斜線など高さを制限する法律をクリアしなければいけません。
ハウスメーカーや工務店では無理と言われた場合でも、建築家に依頼すると上記のような制限をクリアできる場合があります。
下記のページでは狭い敷地に階数を増やすことで対応した事例を紹介します。
株式会社 中村高淑建築設計事務所の「池上の家」
約20坪の間口が狭く細長い敷地に建てた混構造の3階建て住宅です。
1階は上階に部屋を有しつつ2台の駐車スペースを確保、さらに深夜でも気兼ねなく音楽を楽しむことができるよう防音室を設けたことから、構造的に自由度が高く強度を保つことができて、かつ防音効果も高いRC造としました。
2階にLDKを配置し、オープンな螺旋階段部を吹き抜けにすることによって開放感を演出しつつ、光を室内に取り込むことで狭さを感じさせないように考えました。
3階には主寝室と各子供室を配置。それぞれ閉じた空間としていますが吹き抜けを通じて、なんとなく互いの存在が感じられるようにしています。開閉型のトップライトを階段吹き抜け上部と各室に設けてあり、温度差によるドラフトを利用した空気の流れを作り、狭い敷地ながらもなるべく自然の風で快適に過ごせるように工夫しています。
廊下を減らす
敷地が狭い場合はできるだけ面積を無駄なく使ったほうがいいでしょう。
家の中で廊下というのは一般的にただ移動のためにだけ使う空間になっています。
そこで狭小住宅の間取りを考える場合、できるだけ廊下を無くすという方法が考えられます。
廊下を極限まで減らすことでその分の面積を居室にあてることができます。
下記では廊下をなくした、またはできるだけ廊下を減らした間取りを紹介します。
(有)米戸建築工房の「緑と住む家」
1階・2階ともほとんど廊下と呼べるような空間がない間取りです。
2階はほぼ一室空間のLDKになっています。
↑緑と住む家・平面図
設計者
世田谷区南烏山4-23-4 03-5315-7158 |
大島功市建築研究所の「矢部の家」
北側と南側が中庭を挟んでスキップフロアになっています。
中央部に階段があり、その階段で各室にアプローチする間取りになっています。
↑矢部の家・1階平面図
↑矢部の家・2階平面図
↑矢部の家・3階平面図
↑矢部の家・屋根伏図
設計者
東京都国分寺市東元町3-19-9本多ナンバーワン(東京事務所)/茨城県水戸市千波町464-39 A棟103(茨城事務所) 042-326-2233 |
清水正勝建築研究室の「中庭を取り入れた住宅」
シンプルな間取りの2階建ての住宅です。
小さい家なのでほとんど廊下と呼べるような空間はありません。
↑中庭を取り入れた住宅・平面図
設計者
大阪市阿倍野区阿倍野筋3-12-3-805 06-6568-9981 |
(株)マニフィールドの「暖かいイエ」
シンプルな間取りの3階建ての住宅です。
1階には洗面室兼トイレ・浴室がありますが、特に廊下はなく部屋1から出入りするようになっています。
↑暖かいイエ・平面図
設計者
横浜市青葉区桜台25-1桜台ビレッジ2B-404 045-309-4530 |