道路より低い土地でも住みやすいカタチに・アトリエ・キューブ建築設計 橋詰 慎さん


 
高低差のある土地は比較的価格も相場より抑えて販売されています。
建築家のアイデアで道路より低い土地でも住みやすい家を建てる事は可能です。
  
道路より低い土地についてアトリエ・キューブ建築設計 橋詰 慎さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー アトリエ・キューブ建築設計 橋詰 慎 の写真
宝塚市伊孑志2丁目3-11
0797-74-4511

道路より低い土地の建物を手がけたきっかけがあれば教えてください。

 
変形地、傾斜地の経験が豊富ということも安心して設計を依頼していただいたきっかけです。
 
誰もが建築予算に限りがあります。しかし土地を選定する段階でやはり良い環境、整形地は土地価格が高いです。
 
その逆で変形地や今回のような高低差のある土地は比較的価格も相場より抑えて販売されています。その土地の仲介業者も相談したハウスメーカーも「造成で500万円」はかかりますねぇ」と言っていたようです。鼻から「造成ありき」の考えです。
  
土地代+造成費では建築コストを抑えないと夢のマイホームは実現しませんでした。その段階でご相談いただきアトリエ・キューブからの提案をさせていただきました。
 
環境は変えれませんが、土地の形状やプランニングによっては変形地でも住みやすいカタチにシフトできます。その提案により環境の良い土地で土地を購入でき予算内で希望する仕様の夢のマイホームが実現となりました。
 

 

道路より低い土地の建物を設計する上で注意している点を教えて下さい。

 
インフラ計画が成り立つのか事前に調査が必要です。
また近年ゲリラ豪雨など異常気象が頻繁に起こります。
道路や隣地からの雨水の流入をしないように外構計画を含めた計画を平行して進めています。
  
施工方法も先に検討しておく必要があります。
資材の搬入、工事中の資材置き場、棟上げのレッカー車の作業が可能かなど施工のコストアップにつながる場合があります。
 
プランニング(設計)、施工、そして実際の生活を始めてからの外部の生活動線を含めたシュミレーションを検討して計画を進めていきます。
 

道路より低い土地の排水はどのようにしていますか?

 
「逆瀬川のリゾートハウス」では地盤面より汚水本管が低く、雨水も隣地への放流経路が確保できたため排水に問題はありませんでした。
 
汚水本管のほうが高い場合にはポンプアップなどの方法もありますが行政によってはポンプの取り付け不可のところもあるので土地購入前に確認しておく必要があります。
雨水に関しても基本自身の土地に降った雨水は処理(側溝に接続)しなければいけません。
また道路からの雨水流入も考慮した外構計画が必要になります。
 

道路より低い土地の家をハウスメーカーに依頼すると、まずは盛土で道路と同じ高さにしてしまう場合が多いと思います。その場合のデメリットを教えて下さい。

 
造成に建築予算を奪われてしまうとうのはもちろんですがコスト面以外にもデメリットはあります。
 
造成で盛土をする場合段階を踏み締め固めしながら行います。
しかしそれでも完全な状態ではなく、例えばその土地を3ヶ月間、雨などに降られた自然環境下で放置すると10cm単位で地盤が沈下している場合があります。
擁壁の際では顕著に現れます。
 
造成したての土地では地盤補強が必要になるケースが多いです。
ハウスメーカーによっては契約時には地盤補強が必要かどうかも分からない。
いざ建築が始まる直前にコストの追加になってしまうケースがあるようです。
その時点でコストアップを言われても困ります。
夢見ていた何かをあきらめる設計変更という事がないように契約前に把握される事が必要です。
 
安定した地盤で建築をしないと建物の自重や地盤の締め固めにより建物の歪みが発生し基礎のひび割れ、窓や扉が開けにくくなる、壁紙などの仕上げ材の亀裂が生じることになります。
 
造成される場合には建築士により擁壁設計の安全性の確認をしていただく事、造成工事の段階から施工監理を依頼することをお勧めします。
 
また工期の面でもデメリットになってしまうケースがあります。
建築の地域によっては「宅地造成規制区域」や「急傾斜危険区域」という場所もあります。
その場合造成の規模によっては別途申請が必要になってしまい申請期間が長くなってしまいます。
 

逆瀬川のリゾートハウスは盛土をしない設計になっているようですが、その場合のメリットを教えて下さい。

 
先ずは建築コストを抑えれる点です。
同じ地域の相場をみても道路とフラットな土地との価格はかなりの差がありました。
設計者として私は今ある土地の形状をどれだけ有効的に利用できるかを考えながら計画していきました。
 
誰もが建築予算に限りはあります。
造成をせず土地のコストを押さえた分で希望の仕様で実現できました。
結果、縦軸にも変化のある空間づくりになりました。
 

逆瀬川のリゾートハウス・断面図

 

逆瀬川のリゾートハウスは道路より1.5m低い土地だったそうですが、玄関はどうなっているのでしょうか?

 
玄関は道路面と同じ高さに計画し中2階からのアプローチになっています。
道路沿いの既設擁壁と建物の離れが1mほどありますがこの部分はスラブをハネ出しにして橋のようになっております。
この橋は地震時に道路擁壁と建物とで揺れの周期が異なるため接続しないようにしています。
 
中2階の玄関はプライベートルームの1階とリビング、水廻り、眺望の広がるテラスのある2階をつなぐ位置にあります。
 

逆瀬川のリゾートハウス・玄関・断面図

 

逆瀬川のリゾートハウスはビルトインガレージになっているようですが、道路との段差はどのように解決したのでしょうか?

 
建物の中2階に入り込むビルトイン形式にしています。
 
中2階は高基礎のRC造になっています。スラブ天端を道路高に合わせ駐車場下は物置にしています。
この物置は階数が発生しないように天井高1.4mに押さえ床下物置の取り扱いとして階数は2階建てとなっています。
 

逆瀬川のリゾートハウス・ビルトインガレージ・断面図

 

道路より低い土地に建物を建てたい方になにかアドバイスがあればお願いします。

 
道路より高い土地と低い土地では計画の性質が全く違います。
 
土地が相場より安いからというメリットだけで決めてしまわないようにして下さい。
低い土地の場合にはインフラの計画が可能かどうかです。
土地を購入してから下水や雨水が処理できないということがないように設計を担当する建築士にプランニングと平行してインフラ計画を立てていただくことが必要です。
 
造成が必要な場合も造成の段階から経験のある建築士にチェックしてもらうことをお勧めします。
 

完成した住宅のデザイン面でクライアントから喜んでいただけた点はありますか。

 
今回の土地は北面道路、地盤面、南面隣地とひな壇の形状になっています。
南に建つ住宅と生活の視線をずらすことができお互いのストレスもなく生活できる。
南住宅の地盤面が低いため1階にも採光や夏でも窓を開けて気持ちよい風で寝ることができる。
厳しい予算の中で希望した家が完成できた。
 

アトリエ・キューブ建築設計 橋詰 慎さんの道路より低い土地・設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
逆瀬川のリゾートハウス

高台に建つこの住宅はビーチリゾートが好きな建築主の趣味を取り入れたデザイン。週末住宅のような落ち着きのある雰囲気である。

仕事の依頼はこちらから

 
 

建築家依頼サービスの申し込みは今すぐこちらから(無料)↓

建築家依頼サービス
 
当サイトの建築家に仕事を依頼したい方は下記から依頼したい仕事の内容を投稿してください。
投稿した内容は下記のページで公開され、当サイトの会員建築家から返信をもらうことができます。
 
https://kentikusi.jp/dr/netirai/jirei
 
このサービスは一般の方・業者の方でも無料で利用できます。
 

建築家依頼サービス・申し込み

依頼したい仕事の内容を自由に記入してください。(■依頼したい仕事■建設予定地■土地・テナントの所有・賃貸状況■建物についての希望■ご予算■希望する地域■建築家に依頼したいと思った理由■その他・・・など)
メールアドレスをご記入ください。このメールアドレスに確認用のメールをお送りします。 例:nakazato@kentikusi.jp
例:みのる
例:東京都
例:港区