道路より低い土地でも建築家のアイデアで魅力的な建物に・五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳さん


 
道路より低い土地は建物が建て難く、造成にも費用がかかるので価値が低く見られがちです。
しかし、そのような土地も建築家のアイデアで魅力的な建物、街並みに変えることができます。
 
道路より低い土地について五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳 の写真
愛知県一宮市木曽川町里小牧字西蒲原216番地
0586-87-2669

道路より低い土地の建物を手がけたきっかけがあれば教えてください。

 
私たちの事務所は濃尾平野の北西にあり、すぐ近くには木曽川が流れています。
その川沿いには堤防道路があるのでそこには必ず道路より低い土地が生まれます。
 
一般にその様な土地は建物が建て難く、造成にも費用が掛かるので価値が低く見られがちです。
 
しかし、そのような土地も私たち建築家のアイデアで魅力的な建物、街並みに変えることができるのではないかと日頃から模索していたところに「道路寺の家」の建築主から建築設計の依頼がありました。
 

道路より低い土地の建物を設計する上で注意している点を教えて下さい

 
一般には道路から一旦、低い土地へ下りてから建物の1階にアクセスするという事になりますが、それでは日々の上り下りが大変です。
 
また道路のレベルから建物にアクセスするためには低い土地を道路レベルまで盛らなければなりません。
それには莫大な費用がかかりますし、何の工夫もなく面白くありません。
 
そこで高い道路から無理なく安全に自然な形で建物にアクセスする解決策として低い土地の部分から建物を設け2階部分に玄関を設けることでした。
そうすれば無理なく建物にアクセスでき、道路からは平屋建てに見えますので道路に影を落とさず視界も広がり街並みの景観も保たれます。
 

五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳

※道路寺の家:宙に浮いた浮遊感を演出
 

道路寺の家・2階リビング

※道路寺の家:眺望を活かした2階リビング
 

道路より低い土地の排水はどのようにしていますか?

 
雑排水や汚水はポンプアップして道路際の側溝に排水します。
その他の雨水は建物周りが土なので自然透水で処理します。
 
特に高い道路レベルの土地はあえて舗装をせず、木曽川で採れた平たい玉石を並べ隙間を砂利と砂で埋めました。
それはとても自然に優しく経済的でエコです。
 

道路寺の家・平面図

道路寺の家・平面図

道路寺の家・断面図

道路寺の家・断面図

道路より低い土地の家をハウスメーカーに依頼すると まずは盛土で道路と同じ高さにしてしまう場合が多いと思います。その場合のデメリットを教えて下さい。

 
堤防道路とその下の土地の段差は3メートル~4メートルもある場合もあり、その土地を堤防道路のレベルまで嵩上げすると、造成費用だけで莫大な費用が掛かかってしまいます。
また、造成期間に時間がかかり、更に土地が締め固まるまでにはかなりの月日が必要になると思われます。
そして何より周りから見た時、直角に高く盛られた無愛想なコンクリートの塊は決して美観に良い街並みとはいえません。
 

一般的な宅地造成

※高く平らに盛られた一般的な宅地造成のコンクリートの擁壁
 

道路寺の家では道路側からみると建物が浮いているように見えるのですがどうなっているのでしょうか?

 
低い土地のレベルに基礎を造った木造2階建住宅です。2階部分は道路側の高いレベルには接していません。
建物の2階部分を道路側にオーバーハングさせていますので浮いているように見えます。また、道路面と反対側にもベランダをオーバーハングさせて天秤のように建物全体の荷重バランスを保っています。
 

宙に浮く平屋

※西側道路より:宙に浮く平屋

浮かび上がる2階

※南東より:浮び上がる2階
 

道路寺の家では駐車場はないのでしょうか?

 
あります。土地の道路側一部分に駐車スペースとしてL型擁壁を設置しています。
それは土地を全部盛るのではなく、駐車スペースになる1部分だけの造成なので必要最小限の経済的なものです。
 
そしてL型擁壁の背面には跳ね出しコンクリート製のステップを設置し土地の高低差をアクセスできるようにしてレベル差の違う庭の緑を繋いでいます。
 

屋外階段

※擁壁を利用したコンクリート跳ねだしの屋外階段
 

道路より低い土地の建物を建てたい方になにかアドバイスがあればお願いします。

 
「八事富士見の家」は鉄筋コンクリート地下1階地上2階の3階建て住宅です。
この建物は地下1階部分が地中に潜り建物自身が土留め土留擁壁の役目をしています。
木造の「道路寺の家」とは違い構造が堅牢ですので直接土圧を受け止めることができます。
 
私たちはどんな悪条件の土地でもアイデア次第でとても魅力的な建物を造ることができると信じています。
もしそんな土地が出たならば購入前に一度、相談していただけると良いと思います。
きっと素晴らしい提案があると思います。
 

八事富士見の家

※八事富士見の家:RC地下1階、地上2階建の3階建て住宅 建物が直接土圧を受け止める
 

地下1階のテラス

※八事富士見の家:地下1階のテラス。ドライエリアとして吐き出し窓なのでプライベートが保たれている。
 

リビング

※八事富士見の家:リビングよりテラスを見る。外部から視線を感じず良好な生活空間を確保。
 

五藤久佳デザインオフィス有限会社 五藤久佳さんの道路より低い土地・設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
八事富士見の家

名古屋市昭和区の八事富士見は、雑木林など多少緑が残りますが、起伏が激しい地域でもあります。いわゆる高級住宅地の少し外れにあります。
敷地は、山の北斜面のほぼ谷の部分に位置しています。

道路時の家 ~浮遊する家~

木曽川の堤防沿いの敷地に建つ 木造2階建て住宅です。

特徴は敷地に段差(急斜面)があり、 フラットな敷地と道路面との高低差は3.5m!!
この高低差を活かし2階に玄関、リビング・ダイニング、浴室を設けました。

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