傾斜地に混構造の家


傾斜地は一般的な土地と比べ値段が安く、眺望の良い家が建てられるなどのメリットがあります。
傾斜地で家を建てる場合、2階を木造、1階を鉄筋コンクリート造のガレージハウスにした混構造の家を希望されるお客様が多いようです。
 
今回は、傾斜地を活かした混構造の家とはどのようなものかについて教えていただくために、江川竜之建築スタジオの江川さんに取材をさせて頂きました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 江川竜之建築スタジオ 江川竜之 の写真
名古屋市西区名駅2-28-1フェニックスビル5F
052-433-1930

 
 

傾斜地の問題点

 
傾斜地で家を建てる場合、基礎をつくる時に工事がやりづらいという問題点があります。
もし土を平らにして家を建てるのであれば、その分費用もかかってしまいます。
そんな時によく使われる手法が混構造です。
 

混構造とは?

 
混構造とは、木造、鉄筋コンクリート造など複数の構造をあわせて作る方法です。
混構造には「木造と鉄筋コンクリート造」、「鉄骨造と鉄筋コンクリート造」、「木造と鉄骨造」などさまざまな組み合わせがあります。
住宅だと2階以上を木造、1階を鉄筋コンクリート造にしてガレージハウスにしたいと考えるお客様の需要が高いため、鉄筋コンクリート造と木造の組み合わせが最も多いようです。
 

混構造のメリット

 
傾斜地の場合、1階部分を土に埋めるようにして建てると土に接する箇所ができてしまいます。
土の中は雨が降ると特に水で満たされやすいため、土に触れている部分が木造だと腐りやすくなってしまいます。
土に触れる部分がコンクリートであれば、表面に防水膜を張って家を長持ちさせることができます。
 
ただ、鉄筋コンクリート造は坪単価が高いため全てとなると費用が大幅にかかってしまいます。
鉄筋コンクリート造と木造を組み合わせることによって、お互いの長所を生かしつつ費用を抑えることができます。
 
さらに1階部分を鉄筋コンクリート造にすることで、柱のない広いスペースを作ることができます。
車を2台横にとめられるなど広幅のシャッターが作れるので、複数台の駐車スペースがあるガレージハウスを作りたい方にも人気があります。
コンクリートは防音効果が高いため、夜遅くに車庫に車を入れる時も木造に比べると安心です。
 
また、もし家に地下室を作りたいのであれば、建物を木造、地下を鉄筋コンクリート造の混構造にすることでコスパを抑えることも可能です。
 

混構造のデメリット

 
混構造は複数の異なる構造で建てるため、確認申請の時に、より詳細な構造計算が求められます。
基本的な家の場合は簡易計算用のルールがあるのですが、混構造にはそのルールがないため全てゼロから計算しなければならないのです。
 
さらに、混構造の家は工事の期間も長く、通常よりプラス1~2ヶ月かかります。
 
コンクリート造は坪単価が高く、全て木造で作られた家よりはコストがかかります。
混構造で傾斜地に基礎をつくる場合、土の上に家を建てるか、または傾斜地に埋め込むように建てるかの2通りの方法があります。
その中でも、基礎を土に埋め込むように家を建てる時は鉄筋コンクリートの箇所が増えるため、より費用がかかります。
しかし、基礎を土に埋め込むようにすることで高さ制限をクリアし、スペースを有効に使えるメリットもあります。
 

混構造の実例

 
傾斜地のデメリットを混構造で解決した実例として、江川竜之建築スタジオの江川さんが設計した「傾斜地に建つ家」を取材させて頂きました。
 

 

傾斜地の状況・問題点

 
傾斜地にある敷地には、2つの古民家が建っている状況でした。古民家を解体し更地にすると、土地が段差地になっているという問題点がありました。
傾斜に段差がある場合は、さらに段差をなくす費用がかります。
まずは、段差をなくして傾斜地にするための工事をはじめました。
 

混構造を採用した理由

 
上記のような問題点を解決するために、江川さんは混構造を採用しました。お客様からは「車をたくさん駐車したい」、「傾斜部分を全部ガレージにしたい」という要望があったため、1階部分をコンクリートにしたガレージハウスを作ることにしました。
静かな街では車の駐車音も気になると思い、鉄筋コンクリートならではの高い防音性によって生活騒音の問題を解決しようと考えました。
 
また、閑静な住宅街では家の高さ制限がより厳しくなるケースが多いようです。
混構造を採用することで、傾斜地に埋め込むようにして1階部分を作り、高さ制限の問題をクリアしました。
 

 

混構造を採用したメリット

 
混構造を採用し、1階部分を傾斜地に埋め込むように建てたことで、住宅地の高さ制限をギリギリでクリアしつつ、必要な生活スペースとガレージの高さを確保しました。
 
1階部分をコンクリートにしたことで、広幅の入り口のガレージハウスが可能になりました。
コンクリート造のガレージハウスは、防音効果も高くプライバシーにも優れています。
「2台以上横に駐車したい」、「盗難防止」、「雨に濡れずに車の乗り降りがしたい」、「車を汚したくない」、「丈夫なガレージハウスを作りたい」方は、鉄筋コンクリート造のガレージハウスを建てることがオススメです。
 

断面図

↑断面図・1階部分を傾斜地に埋め込むように建てている

その他の工夫

 
傾斜地にあった土地は、三方道路に囲まれており高低差がありました。
1階部分に加えて2階の途中まで土に面していたので、土に面する部分は全て鉄筋コンクリート造にしました。
 
家は木造と鉄筋コンクリート造の混構造ですが、その境目をわからないようにして木造部分も鉄筋コンクリート造のようにみせることにこだわり、高いデザイン性を確保しました。
外から見て窓が多いとプライバシーや防犯面で心配があるため、一見窓が少ないように見せています。
しかし、ブラウンの壁の向こう側には隙間を作り、窓やトップライトを設けています。窓が少ないように見せつつも、家の中が明るくなるように家を建てるよう心がけました。
 

 

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