いざ、二世帯住宅を考えようとする場合、みなさんは、どんなことを気にされますか?費用面も大事なんですけど、すごく大事なポイントがありますよね。
それが何かというと。
「間取りが家族関係をつくる」ということです。
私自身、10年以上二世帯住宅で暮らし、また建築家として数多くの二世帯の家づくりに携わってきました。
その経験から言えることは、どんなに立派な家でも、間取りが住まわれる方にフィットしてなければ、家族関係にしわ寄せが来てしまうということです。
鉄則1:距離感をデザインする
二世帯住宅で最も多いトラブルは「近すぎる距離感」です。
玄関や水回りを共有にすると、一緒にいる時間は増えますが、その分プライバシーの確保は難しくなりますよね。
逆に、完全分離にすると「せっかく同居したのに顔を合わせない」なんて話にもなりがち。
なので。家族に合った距離感を最初に定義し、間取りに落とし込むことが大事だなと思います。
例えば、玄関は分けつつ、リビングだけはつながる設計。
あるいは、キッチンを別にして「食事の時間」を自由に選べるようにする。
こうした工夫で「干渉しすぎない安心感」と「交流できる安心感」を両立できます。
鉄則2:生活リズムを吸収する
親世帯と子世帯では、生活リズムが異なるのが普通です。
早寝早起きの親世帯と、夜遅くまで働く子世帯。
音や光の影響が積み重なると、関係はぎくしゃくしてしまいます。
そこで大切なのが、寝室とリビングを近づけない間取りです。
また、上下階で生活リズムが重ならないよう、水回りの配置を工夫することも効果的です。
設計でリズムの違いを吸収できれば、暮らしのストレスは驚くほど減ります。
鉄則3:将来を見据えた「余白」を残す
今の家族構成や生活スタイルに合わせるだけでは、数年後に使いにくい家になってしまいます。
子どもは成長し、親は年齢を重ね、いずれ介護が必要になるかもしれません。
そんな変化に対応するには、余白を持たせた設計が欠かせません。
例えば、将来は仕切って独立させられる多目的スペース。
今は子ども部屋、10年後は親の寝室、さらにその先は趣味の部屋に。
柔軟性のある間取りが、家族の変化に寄り添ってくれます。
まとめ
二世帯住宅は「家を建てる」のではなく「家族関係を設計する」ものだと私は考えています。
距離感、生活リズム、将来への備え。
この3つを押さえた間取りこそが、家族の笑顔を守る設計の鉄則です。
間取り一つで、家族の関係性は大きく変わります。
もし「わが家に合う距離感ってなんだろう?」と迷われているなら、実体験をもとにアドバイスできる建築家に一度相談してみてください。
あなたの家族にとってベストな間取りを、一緒に見つけていきましょう。
詳しくは、こちらをご覧になってみてください。
二世帯住宅。私たちにできるかな?そんな不安を建築家と共にワクワクへ。