古民家再生には4つのポイントがある・木の家プロデュース 明月社 山岸飛鳥さん


 
古民家は歴史が刻まれていること、昔の職人の手仕事の跡、今ではなかなか手に入らない大きな木材、年月によってしか出すことのできない色艶などなど、古民家の空間が好きな方には、他とは比較できない唯一性があります。
 
古民家再生について木の家プロデュース 明月社 山岸飛鳥さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 木の家プロデュース 明月社 山岸飛鳥 の写真
大阪市東淀川区東中島1-17-5ステュディオ新大阪1052
06-4862-4424

 
 

貴社が古民家再生を手がけたきっかけがありましたら教えて下さい

 
以前京都で勤めていたときに京町家の再生利用に何回か関わったことがあり、古民家再生の経験がありました。

榛原の古民家は、現在住んでいる古民家を再生したいという方を私の友人が紹介してくれたのがきっかけです。
私自身ができれば古民家に住みたいくらい好きでしたから、喜んで設計監理をやらせてもらいました。
 

古民家再生のメリット・デメリットを教えて下さい

 
メリットは「古民家である」ことです。
歴史が刻まれていること、昔の職人の手仕事の跡、今ではなかなか手に入らない大きな木材、年月によってしか出すことのできない色艶などなど、古民家の空間が好きな方には、他とは比較できない唯一性があります。
  
デメリットは、機能性ではイマドキの新築には及ばないということです。
断熱性や耐震性を新築の長期優良住宅と同等にしようすると、もはや元の姿が残らないほどの大改修になってしまいます。当然費用もかかることになります。
 
しかし、古民家に住みたいと言う方は、そこまでの機能性は求めない方が多いと思いますから、あまりディメリットとは感じないのではないでしょうか。
 

 

古民家再生のポイントについて教えて下さい

 
用、強、美、聖 の四つのポイントがあります。
 
用=
使い勝手や機能性については、私は現代の暮らしに合わせていくことが大事だと思っています。再生だからと言って、昔のままに復活させたのでは、とても暮らしにくい家になってしまいます。
 
強=
構造面では、基礎や筋交いのない伝統建築のまま補強するのか、新たに基礎を作って現在の建築工法で補強するのか、最初に判断することが必要です。あとは、それぞれに合った方法で耐震診断で1.0以上になるようにしたいところです。
伝統建築の中に部分的に筋交いを持ち込んだり、土壁を落としてしまったの伝統建築と評価したり、かなり混乱した耐震補強が巷では見かけられるので、注意が必要です。
 
美=
古民家の美しさ。これは言うまでもありません。用と強を満足させるために美は犠牲になりがちですが、ここを妥協したら意味が無ないので、しっかりとコダワリをもって設計することです。
 
聖=
歴史と言ってもいいと思います。シロアリなどでボロボロの材は新しい木材に替えますが、できるだけ古い木材や建材をのこすこと。土壁もできるだけ落とさないこと。歴史が刻んできた空気が消えてしまわないように細心の注意を払うことが必要です。
 

古民家再生の費用は新築に比べてどうなのでしょうか?

 
現況の程度やどこまで再生するかによって大きく変わりますが、用・強・美・聖で妥協せずに計画すると、新築よりも高くなると思います。
ただしそれは、イマドキの新築のことであって、古民家と同じ物を新しい材料で作り直すよりは安上がりです。
 

榛原の古民家で注意した点を教えてください

 
1,2階とも間取りを住みやすいように変更しましたが、1階は元の家の雰囲気をできるだけ残しています。
ただし中央部が非常に暗かったので、真上と南側の2階の部屋を撤去して明かりと風を取り入れました。

2階は構造材はほぼそのまま見せていますが、作りはまったく変わっています。
芝生のルーフバルコニーもあったりして、そこだけ見れば古民家というよりリゾート風になっています。
 
構造面では鉄筋コンクリートの基礎を作り現代の工法による耐震性を確保しました。
1階の床下はほぼ全面的にシロアリに食われ、一部は2階の柱や床梁まで食われていましたので、補強工事は非常に難工事になりました。
 
実際に工事を進める中で大工さんが苦労したのは「水平と垂直がない」ということです。
床を貼るにも壁を作るにも、まず元の家の少し傾いたり凸凹した状態に材料を削らないと取り付けられないのです。
大工さんの手間賃もかかりますし、工期も長くなります。
 

 

リフォーム会社でなく貴社に古民家再生を依頼するメリットを教えて下さい

 
用+強 と 美+聖 のバランスをとって仕上げるとことです。
一般のリフォーム会社の場合は用+強 を優先しがちですし、古民家再生を専門にしている会社は 美+聖 に重点があります。
その両方を考えながら設計・監理するのが当社のメリットだと考えています。
 

古民家をカフェとして再生する仕事も引き受けていただけますか

 
京都で勤めていたときには京町家を店舗に改修する仕事をよくやりました。そういう案件があれば、ぜひお声かけください。
 

古民家を宿泊施設として再生する仕事も引き受けていただきますか?

 
宿泊施設は法的なハードルが高いですが、ぜひ挑戦してみたいです。
 

古民家を再生したいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい

 
ひとつは「その古民家のどこが魅力的なのか」を把握しておくことです。
すべてを残すことは中々むずかしいので、自分にとっての中心をしっかりともっておくこと。
 
それから、構造は妥協しないことです。
ほとんどの古民家が見た目以上に傷んでいます。
構造補強の費用は心積もりしておいた方がいいと思います。
 

 

木の家プロデュース 明月社 山岸飛鳥さんの古民家再生・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
榛原の古民家

古民家の味はそのまま残しながら、構造は全面的に改修した。また、単なる古民家の復元ではなく、現代の生活に合うようにリノベーションした。

 

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ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

宮崎のマンゴー。
「太陽のタマゴ」ですね。

ビックリするほどの甘さらしいのですが、
あまり口にしたことはありません。

しかし。
この時期、こういったフルーツを見ると、
何だか癒されます。

きれいな、自然の色だからでしょうかね。

自然の力って、すごいなと想います。

てさて。

昨日は、とっても暑かったのですが、
一昨日に続いて、現場を見てきました。

こちらは、ちょうど基礎を打ち終えて、型枠を解体中。
コンクリートは、とてもきれいに打てていました。

出来上がりをみながら、中を歩いてきたのですが、
やはり、すごく大きい。

実は、この現場の前に、別の家創りで
同じくらいのプロセスで、基礎を見てきたから余計に
感じたのかもしれませんね。

建築あるあるなのですが、
お客様に、基礎をご覧いただくと、
「こんなに小さかったっけ?」とおっしゃる機会が多いです。

建て方過ぎると、その感覚も和らいできますが(笑)

同じくらいのタイミングで、建て方予定。
すんごく愉しみですね。

夕方からは、とある家創りで、お客様の最終検査でした。
一部残工事があったため、それをメインで確認でした。

こちら。
玄関ホールから階段へつながる箇所なのですが、
壁際の間接照明が、以前ついていませんでした。

玄関ホールの明るさはどうかと思っていましたが、
全然大丈夫になりました。

間接照明は、雰囲気創りだけではないんですよ。

しっかりと明るさ感を出すこともできるので、
普段つけておくのであれば、主照明の一部として
採用するのもよいと思います。

そうそう。
このショットから。

写真の具合で、明るいところが飛んでしまっていますが。。

ツヤのある壁仕上げにする場合は、間接照明の取り付けには
注意が必要です。

照明器具自体が、反射して、丸見えになってしまいます。。

ちょっとしたことなのですが、
間接照明を採用する際は、注意しましょう!

検査はしっかり完了。

いよいよ引き渡しになりそうです。

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 収益型住宅にはいろいろあります。住宅を収益を上げる投資物件として考えることなのですが、従来の賃貸物件を考えても、アパートのようなものや戸建ての賃貸、あるいは長屋形式のものなど様々ですが、最近使われている意味はちょっと違うように思います、例えば、現在は自分たち家族が住んでいるだけだけれど、将来家族構成が変わってきて、一部を賃貸にして収益を上げられるようにしたいという要望に応えられる住宅、あるいは2世帯住宅を連続した敷地に独立住宅として2つ建てて、将来一つを賃貸に回せるようにするなど、収益を見越したうえでの設計を考慮された住宅ということができるのではないでしょうか。
 ほかのところでも(ソーシャルアパートメントやカテゴリーマンションなど)書きましたが、日本のように住宅の需給コントロールがされていない国では住宅が永続的に安定して収益を上げられるかというとなかなか難しいものがあります。オーナー様におかれましては、その辺の状況をよくご検討されて、ご計画されますことを願っております。

I-1476、傾斜地の切土・擁壁・宅地割(大阪府)

ユーザー 大森 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
大阪府
現住所‐郡市区町村: 
大阪市
依頼内容: 

傾斜地の切土・擁壁・宅地割
 
建築家の所在地について:
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ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

昨日、竣工して引き渡し前の家へ行ってきました。

こちらは、内部建具の詳細のアップ。

木目の風合い、肌触り。
とってもいい感じ。

框の掘りこみも手が込んでいて、とってもきれいです。

そして、このガラス。
リブ状にラインの入ったガラスは
半透明になっていて、奥を見通せなくなっています。

少しレトロの感じが、これまたいいですよね。

この建具。
製作したわけでなくて、ウッドワンというメーカーの既製品なんです。
それでも、この表情があるので、とてもいいですね。

しっかりセレクトすれば、割安にいい仕様にできたりします。

そうそう。

こちらの家には、床下収納スペースがあります。

天井は、1.4m以下なので、窮屈な感じですが、
平面的に広いので、結構大容量。

収納としてメインで使いつつ、
実は実は、ご主人やお子様の秘密基地としても
使えそうです。

ちょっとしたことなんですけど、
とってもいいスペースになっていました。

午後からは、とある家創りの現場へ。
お客様と一緒に進行状況を確認してきました。

外部は外壁が仕上がってきていて、
内部も2階がずいぶんと仕上がっていました。

天候にも恵まれて、順調に進んでいるので、
安心してらっしゃいました。

そうそう。
外壁を見ながら。

家は奥に向かって雁行していきます。
理由は、ご覧の通り、斜めの敷地なんですよね。

それを最大限有効利用して家を構成しています。

街中の土地ですと、
こういったギリギリを目指すことも多くなります。

いろんな経験が生かされてよかったです。

夕方からは、とある家創りの色決めへ。

外壁、サッシ、屋根といった外部周りから、
床、壁、天井、階段等、内部まで、

ひと通り説明しながら、色の方針を
決めていただきました。

次回までに、いろいろとしっかり準備して、
次回は、ひと通り色を決めていただこうと思っています。

色が決まると、あとは出来上がりを待つのみ。

色決めは大変な側面もありますが、
とても個性が出るところなので、毎回愉しませていただいています。

ほんと。
家創りって愉しい。

ユーザー ❨株❩アトリエ Y&R 栗城裕一 の写真

 スエーデンのストックホルム、ジョン・エリクソンガタンに1935年に建てられた集合住宅がおそらくコレクティブハウスの最初だと思います。これはスエーデンの建築家スヴェン・マルケリウスの設計によるもので、現在も健在です。グーグルのストリートヴューでも見ることができます。
 各住戸には独立して生活できる水回り(台所や浴室など)もありますが(ソーシャルアパートというものにはこれらがないものもありますので、ここが違う点かもしれません)、住人がいろいろと触れ合える共有の食堂、台所、居間のようなスペースが作られていて、小さな共同体を構成できるようになっています。(ソーシャルアパートもこの共有スペースを大事にしているので似ていますが、コレクティブハウスの方が、住戸の独立性を保ちつつコミュニティーを形成するということで、ミニ社会的な色合いが濃いように思います。)
 このスタイルの利点は病気や育児などでお互いに助け合えることや、各種のイベントを企画して生活の楽しみを共に分かち合えて、より豊かな人生を送ることができるだろうということでしょうが、本当に気心が知れるような仲間になれないと成功しない恐れもあります。
 日本でも、いくつか造られていますが、ほとんどが民間のもので、これからこれらの住スタイルがどのようになるかは、不明です。

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